2021年06月13日

独居老人の独り言 武漢ウイルス対策としての休業補償

  令和3年6月13日(日)午前9時40分。快晴、現在の気温28℃。今日の予想最高気温、午後2時以降は雨の予想である。今の時間、園内の温度計が28℃を示しているということは既に北見市街地では恐らく30℃近くになっていることだろう。

  9時から始まっているNHKの日曜討論を観ながらこの原稿を書いている。与野党各党の幹事長、書記長が武漢ウイルス、五輪、政局について喋っている。聞いていると、本当に腹の底から腹が立ってくる。与党もだらしないが、野党の殆どは無責任も甚だしい。国民の誰もが納得できるような具体的な提案は与野党どこからも聞かれない。この人たちは高い税金を食み乍ら、真剣に現場の国民の窮状について考えているのだろうか。

  もし本当に真剣に現場の声に耳を傾けているのならば、どんな小さなことでもいい党利党略ではなくもっと政策提案やアイデアの表明があってしかるべきではないだろうか。

  先日は、ワクチンの接種方法について政府はなぜ最初から医師会と全国の開業医に積極的に協力を依頼しなかったのか、また医師会もこのような国民の危機に際してなぜ進んで関与しようとしないのか。これはワクチンの接種だけではなく、PCR検査についても同様であると書いた。

  国民の生命と財産を守ることが国家最大の役割とするなら、誰もが必要なときに医療の恩恵に預かれるように、そして既に突入している重高齢化社会に対応するために貴重な医療資源を如何に効率的に、無駄なく活用して行くべきか、国会議員のなかには医師も少なからずいるにも拘わらず、そうしたことについての建設的な意見や提案を議会やマスコミ報道で聞いたことがない。

  今日は武漢ウイルス対策に関する、もう一つの疑問に思うことについて書きたい。

  それは、政府や自治体が飲食店や百貨店及びそのテナントなどに対し、緊急事態宣言や蔓延防止措置によって時短営業や休業を要請し、その要請に従った場合に、申請により支給される協力金についてである。

  現在まで政府や自治体が実施してきた飲食店などに対する休業要請に関わる給付金は休業補償とは言えない。正しくは見舞金とか支援金と呼ぶべきものでしかない。
  しかも、一律支給であり事業規模に関係なく給付される(3回目の緊急事態宣言で中小企業一日4〜10万円、大企業一日20万円、百貨店一日20万円、テナント一日2万円に改定)ため、事業規模が小さいところでは休業したほうが儲かったり、そうしたことに付け込む不正受給が横行している。逆に事業規模が大きいところに取っては家賃さえ賄えない金額に過ぎない。不公平感は否めない。

  *因みに中小企業とは@製造業・建設業・運輸業その他の業種(A〜Cを除く)については資本金が3億円以下、常時使用する従業員が300人以下A卸売業については資本金1億円以下、同従業員が100人以下Bサービス業については資本金5,000万円以下、同従業員が100人以下C小売業については資本金5,000万円以下、同従業員が50人以下のいずれかに該当する企業を言う。(中小企業基本法)
  これに対して大企業とは上記の@〜Cの資本金、従業員数の基準の両方を上回る企業を言う。
  日本には400万以上の企業が存在するが、その中で大企業は1.2万社しか存在しない。割合で言えば中小企業が99.7%を占めている。大企業は0.3%を占める。

  さらにこの協力金の支給に大きな障害となっているのが、申請手続きの煩雑さと申請から給付までに時間がかかり過ぎることである。実際に協力金を申請した経験がないので具体的なことは分からないが、報道などで見たり聞いたりしたするところでは、何度も申請書類の不備を指摘されたりして最終的に給付されるのは申請から早くても2,3か月後、遅い場合は4,5か月もかかるようだ。

  これでは何のための協力金であろう。私も国と地方自治体のホームページで協力金について調べてみたが、現在の協力金がどうなっているのか、給付申請の要件や具体的な申請手続きまで辿り着くだけでも途中で投げ出したくなった。大企業ならまだしも、家族と従業員はパートかアルバイトのみの飲食店、飲み屋のしかも年配の事業主には酷な話なのではないだろうか。
  やっと協力金を手にしても、時すでに遅く廃業していたなどという笑い話にもならないようなことが現実となっているのである。こうなることは、少しでも想像力を働かせれば誰でも分かることではないのか。

  ここまで書いてから2週間以上経ってしまった。今日は6月28日、昨日からテレビでは通産省キャリア官僚
の同期二人がこともあろうに、架空会社を作って家賃補償の不正請求により500万円を詐取したとの報道がされている。家賃の支払事実を家主に確認するという仕組みを逆手に取った手口である。呆れて物も言えぬ。

  私が当初から疑問に思うことは以下のとおりである。

  日本では個人にせよ、法人にせよ事業をなしている者は全て毎年確定申告をすることにより自主的に納税することが義務とされている。それには、青色であろうが白色であろうが日々の収支を記録し、複式簿記によるか単式簿記によるかの別はあっても収支報告書類を添付することになっている。そこには年間の営業活動による売り上げ額(月別または年額)、経費(または損金)が詳細に記載されている。

  なぜこの情報(データ)を活用しないのか、あるいは活用できないのか。不思議に思う。武漢ウイルスによる影響を受ける前の年の売り上げが分かれば、正確な休業による損失額が算定できるはずである。そうなれば、申請者は休業したことだけを証明すれば事は足りるのである。しかも、以下に述べるようにやり方によっては、家賃だけを取り上げて補償したり、給与だけを取り上げて(例えば雇用調整助成金のような)補償するような複雑な仕組みは必要がなくなる。簡便で、しかも不正が入り込む余地は無くなるのである。

  日本の損害保険会社が扱う保険商品に「利益保険」または「店舗休業保険」、などというものがあった。
「利益保険」は主として企業向け、「店舗休業保険」は主として個人や小店舗向けの商品で、どちらも事故(火災、水災、騒擾、食中毒など専門用語では保険事故という)によって休業を余儀なくされた場合の損害を補填する保険である。(私が当時勤務していた安田火災では上記のような呼称であったが、現在の損保ジャパンではどちらも「企業総合補償保険」という商品名に統一され、かつての「利益保険」は「費用・利益補償条項」に、「店舗休業保険」は「休業損失補償条項」となっているが、中身は変わっていないようだ。)

  これらの保険の基本的な考え方は、直近の会計年度(個人事業主の場合は1月1日から、その年の12月31日までの期間。法人の場合は事業開始時に税務署に届け出た任意の1年間の期間。)の売上高を構成する@営業利益A営業利益を稼ぎ出すために費消した人件費、家賃、電気・水道代、通信費、税金などの経費(法人会計では費用という)B同じく営業利益を生み出すために資金を投じた商品仕入高、原材料費のうち@とAを補填することを目的としている。

  実際には、もう少し複雑(厳密)でAのうち休業したために支払いを免れた経費(費用)は除かれる。例えば、家賃は休業しても支払いを免れる(あるいは減額される)ことはないが、電気・水道代は休業中は基本料金は支払わなければならないが使用量に応じてかかる料金部分は支払いを免れる。このように、休業しても支払わなければならない経費(費用)のことを「経常費」とか「固定費」という。

  これに対して、電気・水道代のうち使用量に応じてかかる料金(休業期間中は料金が発生しない)部分のことは「変動費」とか「比例費」という。Bの商品仕入高や原材料費は休業中は発生しないので「変動費」に含まれる。従って、これらの保険で補償の対象とするのは大きく括れば「固定費」である(逆からいうと「変動費」以外の部分ともいえる)。

  個人や小店舗向けの「店舗休業保険」(現在は「休業損失補償条項」)では、@とAの合計額は一般的に「粗利益」といわれているもので、従ってこの保険では顧客に分かり易いように以下のように説明している。

  休業損失を補償します=契約時に決めていただいた保険金のお支払対象期間(約定復旧期間、例えば4か月など)を限度に次の算式によって算出された金額をお支払いします。
  保険金額(ご契約金額)×休業日数
  *保険金額はお客様の店舗や事務所の1日当たりの粗利益を基準に設定いただきます。
  *「1日当たりの粗利益」は年間の粗利益を1年間の営業日数で割った金額。(1事業所200万円が限度)

  企業・法人向けの「利益保険」(現在は「費用・利益補償条項」)でも考え方は同じだが、大企業も含まれるため「店舗休業保険」よりは少し複雑になり以下のように説明されている。
  次の算式に基づき、約定てん補期間内の喪失利益と経常費(固定費)をお支払いします。
                            約定てん補率
  収益減少額×約定てん補率−(支出を免れた経常費×       )  
                             利益率
  *約定てん補期間とは事故が発生した時に始まり、その事故の営業に対する影響が消滅した状態に営業収
   益が復旧した時もしくは営業収益が復旧したと認められる時のいずれか早い時に終わります。ただし、
   12か月を限度とします。
  *収益減少額とは罹災後、営業利益が元通りに復旧するまでの期間中の売上高または生産高の減少額をい
   う。
  *実際の収益減少額の一定割合を保険金としてお支払いします。この割合を約定てん補率といい、ご契約
   時に決めていただきます。(最高100%まで可能だが保険料が高くなる)
  *利益率とは直近の会計年度(1年間)の営業利益+経常費の合計額の営業収益に占める割合、すなはち
        営業利益+経常費
   利益率=         
          営業収益

  以上のことから分かるように、直近の年間の粗利益または売上高もしくは生産高さえ分かれば保険金支払額(休業による損失補償額)が算出できるのである。しかも、前述したように毎年真面目に、正しく税務申告していれば、それらのデータは税務当局が保管しているはずなのである。
  
  飲食店に限らず、武漢ウイルス蔓延防止のため休業命令あるいはそれに準じる措置を強制するのであれば、それによって生じた損害は補償すべきである。しかも、現在実行されている協力金のように公平感や納得感なき方法ではなく、かつ給付まで4か月も5か月もかかるような馬鹿なやり方ではない方法があるはずである。

  しかもこの新しい方法によれば、面倒な申請手続きも不要にできる可能性がある。休業命令に従って休業した場合は実際にいつからいつまで休業したかだけを証明すれば事足りるのである。
  さらに、この方法によって算出された補償額には人件費(もちろん残業手当や役員賞与などの比例費部分は含まない)も含まれているのである。家賃も然り。どれだけ給付のスピードと効率を改善できるか計り知れない。

  行政の側から見ても、予算に応じて支払い限度額やてん補率を調整することにより少なくとも公平感のある補償を素早く実行することが可能となる。(例えば、てん補率を80%とか70%とすることもできる)
  しかも、もっと簡便な方法として毎年政府が出している統計資料を活用することも考えるべきだ。私が保険会社に勤務していた時に実際に活用していたこともあったと記憶している。それは、業種別の売上高に対する人件費の割合(もちろん業界平均ではあるが、例えば飲食業は他の業種と比べると〇〇%と比較的に高いなど)とか、売上高に対する固定費の割合などの統計数字を活用することも考えられる。

  デジタル庁の活躍が期待されるが、10万円の一律給付に関してマイナンバー制度と銀行口座の紐づけだけでなく、納税データに基づく休業給付金の迅速支給などのような省庁横断の柔軟な発想こそが必要とされているのではないか。台湾の例を挙げるまでもなく、役所も政治家ももっと若い人の自由な発想、チャレンジ精神を伸ばす施策を考えて欲しい。少なくとも老害だけは払拭しなければ日本は世界に伍してゆかれない。

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posted by ひろちゃん at 12:07| Comment(0) | 日記

2021年06月12日

独居老人の独り言 人の縁とは不思議なもの

  令和3年6月12日(土)20時40分。今日の天気は曇りのち晴れ。現在の気温は21℃、日中の最高気温は26℃だったが、風があり気温ほどの暑さは感じられず、むしろ爽やかな一日だった。

  今日は、私の都立青山高校時代に同級生だったYさんと、東京の大学で同級生になられた時以来今も親しくお付き合いされているという今は北見にお住いのTさんが、お友達とお二人でぼたん園を訪ねて下さった。Yさんのことは旧姓をお聞きして何となく顔を思い出す程度で、当時の私は中学2年のときに北見から東京へ出て、世田谷の中学校から都心の青山高校に進み、どことなく東京のお嬢さんは眩しくて気軽に言葉をかけることもできず男友達ばかりだった。

  Yさんは、二度ほど北見にも来てTさんのお宅に泊まって知床の山に登ったこともあったそうである。Tさんは北見の俳句の会に所属されていて、コロナ前までは何回かぼたん園にも来られていたそうだがその頃はまだお互いにYさんとの繋がりは知らないので、今回初めてご縁ができたようなものである。世間は広いようで狭いものだと実感する。ひとの縁というものは本当に不思議なものだ。

  2018年に久し振りに、青山高校時代に親しくしていた同級生が同窓会の幹事をしていて、その彼から出席を促されたこともあり、東京青山で開催された同窓会に出席した。また、事前に欠席者も含めて全員に配布する文集への投稿も依頼されたので、北見から(たまたま、この年の9月6日に最大震度7の北海道胆振東部地震が発生し全道で停電、いわゆるブラックアウトが起きた。北見は震度3程度だったが2日間停電した。)地震の経験と近況を書いた原稿をメール送信した。

  その原稿にこのブログのことも書いたので、恐らくYさんがそれを見てTさんに連絡したのではないかと思う。TさんとYさんはラインでのやり取りをされていて、1年に1回は会いましょうと話しておられるそうなのでまたいつかこれをご縁に北見で4人でお会いできることを楽しみにしたいと思う。

  Tさんは北見には案内するところがない、と言っておられたが車で少し足を延ばせばチミケップ湖、サロマ湖、能取岬、津別峠、屈斜路湖、裏摩周、神の子池、・・・、そして塩別つるつる温泉、マウレ山荘露天風呂、屈斜路湖コタン温泉、養老牛温泉「からまつの湯」、川北温泉、芽登温泉、・・・、そして寿司の清元、回転寿司トリトン、肉の割烹田村、マウレ山荘のデミグラソースハンバーグ、手打ち蕎麦、・・・、案内したいところは山ほどある。

  人生は一期一会、人との出会いは人生の宝物。
posted by ひろちゃん at 21:35| Comment(0) | 日記