2021年07月24日

独居老人の独り言 自然の厳しさ

  今年は北海道でヒグマに襲われた死傷者が過去最多の9人(死者3人7月23日現在)となった。その他にも放牧中の牛が襲われている。都会に住んでいると、つい人間も自然の一部であることを忘れてしまう。

  このぼたん園の中でも、自然の厳しさを目にすることがある。その一つが、毎年春になるとやってくるアオサギの集団である。園内にあるトドマツ、エゾ松、ヨーロッパトーヒなどのてっぺんに枯れ枝を集めて巣を作り、数個の卵を産みヒナを育てる。それらの木はどれも樹齢が90年を超えており、高さは20〜30mもあろうか。

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  同じころに少し遅れてカラスもアオサギよりも少し低いところに巣を作り卵を産む。カラスはアオサギとは違い、一年中見かけるが牡丹の花芽を啄んだり、畑のトマトやトウモロコシを食べたりして悪さをする。子育て中には巣の近くを通る人間を襲ったりすることもある。

  このカラスがアオサギの巣を襲い、卵やヒナを略奪するのである。毎年5月から7月頃にかけて大きな木の下にアオサギの卵やヒナ、そして身体はすでに親鳥と同じくらいの大きさに育っていても、まだ一人前に飛ぶことができない子どもが巣から落ちて、カラスに啄まれた死骸や、まだ落下して間もないのだろうか生きたまま発見する場合もある。

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  いったん巣から落下した場合は、親鳥も助けることはできない。すぐにカラスが多数やってきて餌になってしまう。あるいは夜になると、夜間行動することが多いキツネが現れて死骸を持ち去ってしまう。どちらにしても、死骸や、時にはまだ生きていても、見つけたときは彼らの運命は明らかなので園内の適当な場所に穴を掘って埋めてやることにしている。ところが、よほど深く掘らないと後日キツネに掘り返されているのを発見することになる。

  毎年、3羽から4羽の埋葬をしているが、今年はどうしたことか20羽以上を埋葬した。なぜ急に増えたのか、その理由は分からない。カラスの数が増えたのだろうか?

もうひとつは、自然の厳しさと言うよりは人間の身勝手と言えるのかもしれない。園内にキタキツネがいることは何回か書いている。ここ2年程は見かけることが無かったが、今年は春から母親と子どもが3匹が早朝や日暮れ時によく現れる。キツネは夜行性なので、昼間見かけることはめったにない。

  キツネは、特に子ギツネは見ている分には犬と同じように可愛いが、人間にとっては結構不都合なこともする。トマトやイチゴを食べたり、花壇の草花をなぎ倒したり、何が目的か分からないが、地面にやたらと穴を掘ったりする。なかでも一番困るのが所かまわず糞をすることである。

  以前(2017年7月1日 もうひとつの「キタキツネ物語」)にも書いたが、エキノコックスという回虫を媒介することである。園の北西隣にはこども園があり、園児たちが時々園内に遊びにくる。今は休園しているが、もちろん入園者にも注意喚起はしているが、キツネを放置しておくことはできない。

  そこで、市役所に依頼して罠を設置して貰っている。今年も現在(7月31日)までに子ギツネ2匹が捕獲された。キツネは利口で一度見たことは決して忘れない。だから、今年親ギツネが捕獲されることは無いだろう。

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  人間の世界でも、人種や国が違えば共生は難しい。ましてや、動物同志あるいは人間と野生動物との共生はさらに難しいのである。

  8月5日(木)朝、Sさんからキツネが罠にかかっているとの連絡があり、確認に行くと大きなカラスが1羽入っている。市役所に連絡、カラスは逃がして餌を付け替える。翌日6日(金)朝、今度は間違いなくキツネがかかっている。3匹目の子ギツネである。再度市役所に連絡する。

3匹目の子ギツネを捕獲。本日(8月8日)現在、残る親ギツネは未だ捕獲されていない。
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posted by ひろちゃん at 00:03| Comment(0) | 日記

2021年07月16日

独居老人の独り言 近況報告

  令和3年7月16日(金)22時26分。今日の天気は快晴で園内の最高気温35℃。予報では今日から3日連続で最高気温35℃とのこと。現在の外気温は22℃。室内の気温計は29℃を指している。窓を開け放っているせいか、蒸し暑くは感じない。このところ殆ど雨は降っていない。作物、生り物には一雨欲しいところ。

  5月17日に来北してから2か月が経った。前日の16日に北海道は緊急事態宣言が発令され、31日まで道内全域の外出、往来の自粛が要請され札幌など10市町村にカラオケや酒類の提供が禁じられるなかの来道であった。ただ、昨年来ぼたん園は休園しており、誰も訪ねてくる人もなく、こちらからも毎日の食料品や必要な物資の買い出し以外は外出もせずに静かに過ごしている分にはウイルスのリスクを感じることは殆どない。

  北見到着早々、住宅の電気と電話の園内引き込み線が倒木により不通となっていることは事前に連絡を受けていたので、北電とNTTに修復工事を依頼した。冬の間に到来した低気圧による強風で倒れたようで、2本の木が電線の上に引っかかっている。電気線と電話線は園の外の電柱から引き込まれていて、住宅まで2〜300mの距離をさらに何本かの電柱を介して接続されている。

  電気線と電話線は同じルートを通るが、会社は別々なので北電の電気線工事が終わってからNTTの電話線工事の順番になる。ただし、倒木については私有地内なのでその所有者(この場合は河西個人)が撤去、処分しなければならない。幸いにも遊木(民族レストラン)の若い衆が営業時間短縮で手が空いていたので手伝ってもらって何とか片付けることができた。

電線の上に倒れた木の状況を見る北電工事業者の作業員(5月21日午後撮影)
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倒木の処理は個人の責任。ストーブの燃料として薪にする。(5月27日午前撮影)
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  天気のよい日は、園の北西隣にあるこども園から園児が遊びにくる。こども園の園庭とぼたん園の敷地は地続きなので、いつでも自由に行き来できるようになっている。子供たちは芝生を走り回ったり、園内で作業をしているSさんの近くにきて話しかけてくる。今はウイルスがあるのであまり近寄ることはできないが、元気をもらうことができる。

元気に歓声をあげ、走り回る子供たち。(5月20日午前、撮影)
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  今年の牡丹は例年よりも少し遅く、6月5日に咲き始めた。例年だと早い年は5月末から先始めるが、今年は少し遅く、心なしが花も少し小さく少ないように感じた。花守のSさんは今季の冬は降雪が遅く、寒かったからではないかと言う。そういえば、薔薇も例年より枯れた株が多かった。でも、枯れたしまったと思った株が気温の上昇とともに地面近くから新しい緑濃い枝葉を伸ばし始める。毎年思うが、厳しい冬を乗り越え再生する健気な姿は感動を与えてくれる。

6月5日牡丹が咲き始めた。北国の花々は厳しい冬を乗り越えて咲くからこその美しさが感動を与えてくれる。
(6月5日撮影)
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(6月5日撮影)
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(6月6日撮影)
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(6月6日撮影)
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(6月11日撮影)
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(6月11日撮影。写真では赤みが強いが、実物は黒に近い)
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(6月11日撮影)
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(6月25日撮影。写真ではとても実物の可憐な純白な色は表現できない。)
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(薔薇には厳しい冬だったようだ。でも、枯れたと見えた株元から新しい枝が伸びて花が咲いた。7月4日撮影)
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(この薔薇は寒さに強く、年々大きく育ち今では2mを超える高さになり沢山の花をつける。6月30日撮影。)
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(ぼたん園入口のフェンスに植えた薔薇も寒さに負けずに年々大きく育っている。6月29日撮影。)
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(遊木の店内から見える薔薇も、後から植えたテッセン(クレマチス)とともに目を楽しませてくれる。7月6日撮影。)
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  武漢ウイルスのため昨年からずっと休園している。今年も5月17日に北見に来てからは園内を整備するチャンスと考えて、雨天の日以外は毎日草刈りか倒木の処理を続けている。おかげで来北前の体重から7sの減量となった。もっとも、6月からは一日1.5食を試してみることにした効果もある。

  以前から一日二食は時々実行していたが、目立った成果はなく半ば諦めていたが、この際思い切って一日一食を実行してみようと思った。1.5食となったのは、朝起きて薬を飲まなければならないからである。午前中に野菜サラダとヨーグルトにシナモンとターメリックパウダーをかけて亜麻仁油と一緒に食べる。
  
  食後、薬を飲んでからは夕方までは水分以外は摂らない。その代わり夕方は4時頃には労働を切り上げて買い物と食事の支度をする。1.5食にした分だけ少し値段が張っても栄養のあるものを食べるように心がけることにした。情報収集を心掛け、健康によいといわれるものは実際に試してみる。

  1か月半ほどやってみて分かったことは、@食べ物を摂らずに働く(身体を動かす)と間違いなく体重は減ること。A一日三食を一食にしたからといって、そんなに腹は減らないこと。B食事の回数が減ったからといって1回の食事で食べられる量はそんなに変わらないこと。C実行前と比べて身体が軽くなったように感じ、便通も量は減ったが毎日規則正しくあること(実行前は時々便秘することがあった)。・・・などである。

  考えてみれば、人類が毎日安定して食べられるように、しかも毎日3食食べられるようになったのは、ここ数百年のことである。それまでの何万年か何十万年かは忘れた(人類誕生は700万年前?)が、長い間毎日どころかいつ食べられるかさえ分からない生活が続いていたのである。身体の進化が現実に追いついていないことは容易に想像ができる。
  人間の身体はそんなに食べなくても充分働けるのではないかと思えてくる。むしろ少食のほうが健康にはよいのではないかと思えてくる。(食物が入ってこなければ、肝臓や腎臓などは休むことができる)

  しかも、情報によれば人間の身体はカロリーが不足してくるとそれまで体内に蓄えてある脂肪を燃やしてエネルギーに変えるのだそうだ。体内に蓄えている脂肪を燃やす順番は、先ずは内臓脂肪であり次に皮下脂肪という順番なのである。そういえば、この1か月半で腹が大部凹んだようだ。入らなくなっていたジーンズが着れるようになった。

昨年から休園している。
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炎天下の草刈りは結構な重労働だ。草刈り前の状態。6月16日午前11時27分撮影。
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やっと半分。6月16日午後12時14分撮影。
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倒木を切って、運んで、風通しのよい場所に積んで、薪にするまで雨に濡れないようにブルーシートや屋根をかける。7月11日撮影
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  園の中央にある芝生は毎年4,5回は草刈りをしなければならない。特に6月から8月にかけては草の伸びが早く、刈っても2,3週間で元通りの状態に戻ってしまう。一昨年までは、叔母の時代から使っていた草刈り機は15分草を刈ると、15分は休めないとエンジンが熱くなって動かなくなるという代物で、全面刈り終わるのに2日間は掛かっていた。見かねた当時の「ぼたん園を支援する会」(平成28年年解散)が新しい草刈機を寄贈してくださったので、今は2,3時間で済むようになった。有難いことである。

新しい草刈機
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それまで2,3日は掛かっていた芝生の草刈りは2,3時間で済むようになった。
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  園内整備の合間の楽しみは、野菜作りと果実の収穫・加工である。今年の野菜作りは園内整備に集中するために自分一人が食べる分だけにした。トマト(大玉)1本、キュウリ1本、ピーマン1本、バジル3本、パセリ1本、タマネギ50本くらい、ジャガイモ8本、とイチゴ9株である。少量だけれど毎朝採りたての野菜が食卓に上ることは何物にも代え難い贅沢だ。

園内の住宅近くに作った猫の額の野菜畑。6月27日撮影。
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  そして、例年どおり7月に入るとハスカップの実が紫に熟す。今年は生り物は不作と思っていたが、意外に昨年より多い収穫だった。早速、夕食(1日1食)が済んで一段落したらハスカップジャムを造る。先ず一粒づつ丁寧に洗い、そのまま鍋に入れ弱火で煮る。水などは一切加えず、甜菜糖(北海道ではビート糖)のみを味を見ながら適当に加えてゆく。少しとろみが出てきたら火を消して鍋ごと冷水につけて冷ます。

  冷えたところで、予め熱湯で煮沸殺菌した瓶に詰めてきつめに蓋をする。その際、なるべく蓋とジャムの間に空気が入らないように詰める。ところが、昨年この瓶をクール宅急便で川崎に送ったところ、途中でジャムが発酵して瓶が破裂する失敗をしたので、今年は半分をジャムにして残りは果実のまま両方ともZiplocに詰めて、そのまま冷凍することにした。川崎には冷凍したZiplocを大きめのアルミ保冷バッグに入れて持ち帰るつもりだ。ただ、機内持ち込みが可能かどうか確認する必要があるだろう。

今年7月3日に1回目の収穫をしたハスカップ。4回収穫してまだ余裕があったので、残りはSさんたちに譲った。
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昨年は瓶詰めしてクール宅急便で送ったが、途中でジャムが発酵して瓶が破裂してしまった。昨年8月7日撮影。
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今年はZiplocに詰めて冷凍することにした。これは果実のまま冷凍したもの。7月4日撮影
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  8月初めにはブルーベリーが収穫を迎える。昨年、一昨年と園内に侵入した鹿に食べられたため収穫ができなかったが、今年は鹿も居なくなったので大丈夫そうだ。ハスカップが予想以上の収穫だったので期待できそうだ。今のところは順調に実をつけているが、まだまだキツネや鳥たちも狙っているかも知れないので油断はできない。

今のところ順調なブルーベリー。7月14日撮影。
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posted by ひろちゃん at 22:47| Comment(0) | 日記