Erich Fromm(1900〜1980)は著書「The Art of Loving」の中で愛はArtだと言っている。ここでいうArtはSkillのことである。愛は「技術」だと言っているのである。決して愛は「恋に落ちる」などと表現されるように、ある日突然誰もが経験することができるものではないとする。愛とは永続するものであり、art(技術)を磨くように努力しなければ習熟できないものだと言う。
そして、現代人は「愛すること」を「愛されること」と勘違いしていること、あるいは愛は対象の問題だと、すなはち自分は人を愛する能力は充分に持っているが、それに相応しい相手がいないのだという思い込みである。要は自分自身の未熟さなどには思い至らず、相手のせいにしていることに気がついていない。確かに世の中をよく注意して観察すると、老若にかかわらず「愛されること」にしか関心がない人、いつまでも背が高いとか、収入が高いとか、見た目がいいとか、外見ばかりにこだわって人間そのものを見ることができない人は多い。
さらに今の若い人は僕らの時代とは大分違うようだ。第一に結婚年齢が随分遅くなっている。昔は女は25を超えたら「12月26日のクリスマスケーキ」などと言われ、男も30を超えるとあたかも心身に欠陥があるようなことを言われた。そもそも生涯に一度も結婚しない男女が増えているそうだ。また、最近は本屋の店頭には生涯独身だったり、肉親と離別して一人暮らしをしているような年配者が、あたかも一人が最高の幸せであり、孤独こそ最高の贅沢、のようなことを書いた本が並んでいる。(令和5年5月4日 木曜日 午後5時)
Frommは人間が他人(自分以外)を愛するのは、根底に「孤立」や「孤独」に対する不安があるからだという。人間は動物と違って、全く一人では生きてゆけない。人間は自然や社会の力の前では一人では無力であり、孤立した生活は耐え難い牢獄と化し、この牢獄から抜け出してほかの人と接触しなければ生きてゆけない、という。
しかし、僕が考えている「愛するということ」はFrommとは少し違うような気がする。まず第一の違いは、人間は「孤立」や「孤独」に対する不安があるから人を愛するのだろうか?「孤独」という「牢獄」から抜け出したいからひとを愛するのだろうか?確かに愛するひとがいれば、例えば配偶者や家族、または恋人がいれば、孤独や寂しさからは解放されるかもしれない。ただし、それは本当に彼らを「愛している」場合である。例え配偶者、家族、恋人であっても本当に愛していなければ意味がない。毎日のように夫婦、恋人、家族間での刃傷沙汰が報道されていることを見ても明らかである。
僕は「孤独」とか「寂しさ」は、あくまでも自分自身あるいは各個人が一人でいることをどう受け止めるかという問題であって、ひとを「愛するということ」とは別のことだと思う。あるいはこうも言えるかと思う。すなはち、「孤独」だったり、「寂しい」からひとを愛するのではなく、ひとを「愛している」から「孤独」や「寂しさ」にも耐えられるのだと思う。
私事で恐縮だが、僕は毎年数か月から半年を北見で過ごしている。その間は物理的には一人暮らし(独居)である。そのような一人暮らしも既に15年以上になる。最初の5年くらいまでは寂しいと感じることもあったが、今では孤独だとか寂しいと思うことはない。今は昔とは違ってスマホで、いつでも家族と繋がって声を聴くことも、写真を動画さへ見ることができる。それよりも、春には野菜を植えたり牡丹を見に来るお客さんを受け入れる準備をしたり、夏にはどんどん伸びる草との草刈り競争、前年の間に風や雪で倒れた樹々の処分、秋には薪作りなどなどで、そんなことを考えている余裕もない。
それと、確かに一人暮らしのよさはある。毎日何時に寝ようが、起きようが、何を食べようが全く自由である。だれも文句をいったり、あれこれ注意されることもない(ただし、一人だけ時々苦情をいうひとがいるけれど)。そして、特に夜は好きな音楽を聴いたり(しかも、大音響でも誰にも迷惑をかけることはない)、本を読んだり、U=TUBEのセミナーを受講したり、ブログを書いたり、ともかく与えられた時間は100%自由に使えるのである。人間の想像力(創造力)は自由のもとでしか最大限に発揮されることはないことを実感する。(令和5年5月5日 金曜日 晴れ 午後10時39分)
以下6月に続く。
2023年04月29日
人を愛するとはどういうことなのか? ?
posted by ひろちゃん at 17:38| Comment(0)
| 日記
2023年04月03日
独居老人の独り言 令和5年4月
このところ白内障と老眼の手術をするべきかどうか迷っている。老眼については既に40代後半ころから本や新聞を読むときには老眼鏡が必要になった。子供のころからいつも学校の視力検査では片目の裸眼で例の上下左右のいづれかが欠けている〇は一番下まで見えていた。(視力2.0?)自分では河西家の家系で生まれつき目がいいんだと思っていた。(後に遠視だと認識したが)
老眼は加齢によるもので、周りに聞いても誰でも年齢の違いはあっても遅かれ早かれ避けようがないもののようである。白内障も加齢によるものが大半であるらしい。自分の場合も、ここ数年で老眼鏡をかけても本や新聞の字が読みにくくなった。車の運転中に道路の案内板も今までは裸眼で不自由なく見えていたのが、少し小さい字は読めなくなった。また、夜間の運転では対向車のヘッドライトが眩しくて思わずブレーキを踏んでしまうことがある。(令和5年4月3日 月曜日 午後10時)
毎日100通近く来るメール(広告宣伝が殆ど)の中で戸塚駅前鈴木眼科からの「多焦点眼内レンズ」に関するメールは気になっていたので、改めて鈴木高佳(すずき たかよし)理事長(医師)のZOOMせセミナーを視聴した。また、送られてきた同医師の著書「メガネ・コンタクトレンズはもういらない!多焦点眼内レンズ 入門」を読んだ。
さらに、調べていくと同じように大宮七里眼科(さいたま県)を開業する山崎健一郎医師のメールにも多焦点眼内レンズのことが詳しく書かれている。同医師にも著書「人生が変わる 白内障手術 第2版」があるので取り寄せて読んでみた。鈴木医師も山崎医師も日本医科大学を卒業して、山崎医師は2008年に、鈴木医師は2010年に開業していて、これまでの多焦点眼内レンズ手術数は山崎医師3,100例以上、鈴木医師は同2,500例以上となっている。
他に、お茶の水の井上眼科病院病院には40代のころ、高血糖による眼底検査をきっかけに老眼の検査を受けると同時に隣接する井上眼鏡店で老眼鏡を作成してきた。以来、老眼の度合いが進行する度に新しいメガネを同眼鏡店で作成してきた。かれこれ今までに10回以上も作成してきたであろうか。そんなこともあり、戸塚駅前鈴木眼科、大宮七里眼科と井上眼科病院の三つに絞って検討することにした。
(令和5年4月9日 日曜日 午後6時15分)
ヒトの眼は横断面(顔が左を向いている場合)で見ると、左から入った光は角膜、瞳孔(虹彩と呼ばれるカメラの絞りのようなもので、ドーナツ状の膜のこと。ドーナツの穴に見える部分が瞳孔(黒目)といわれるいわゆる穴)を通り、レンズに当たる水晶体を抜けて、いわゆる眼球の中を満たしている無色透明なゼリー状の硝子体を通過して一番奥の網膜で像を結ぶ。網膜に映し出された映像を、網膜の外側の層に分布している視細胞がキャッチして信号に変換する。信号は網膜から脳まで繋がっている視神経により脳に送られ、脳の視覚中枢が認識して初めて「見えた」ことになる。
<目の構造とものの見える仕組み 鈴木高佳著 「多焦点眼内レンズ 入門」51ページより>

さらに、水晶体は「水晶体嚢」という薄く透明な嚢(袋)に包まれている。そして、その水晶体嚢に外側にある「毛様体筋」から伸びた「チン小体」が密着することで水晶体の位置を固定しているのである。
これらが連動して水晶体を引っ張ったり緩めたりして水晶体の厚みを調節することで、ちょうどカメラのオートフォーカスのように遠くから近くまで自動的(自然に)にピントを合わせているのである。知れば知るほど、その巧みな仕組みに驚く。(令和5年4月9日 日曜日 午後10時25分)
老眼は水晶体や毛様体筋が加齢により柔軟性が低下し固くなることにより、ピントの調節がスムーズにできにくくなるためコンタクトレンズや眼鏡をかけることにより補正することになる。また、白内障は水晶体がこれも主に加齢により白く(あるいは茶色く)濁ることにより、ものがダブって見えたり霞んだりする症状である。老眼も白内障も40〜50歳ころから自覚症状がでて、いずれは誰もがおよそ80歳までには罹患するようになるとのこと。(令和5年4月11日 火曜日 午後11時13分)
老眼はコンタクトレンズを入れたり、眼鏡をかければある程度の対応ができるが、白内障はいまのところ水晶体を人工のレンズに置き換えるしか方法がないようだ。前出の戸塚駅前眼科の鈴木医師は著書のなかで「老眼の次には必ず白内障がやってくる。50歳代、60歳代を老眼との格闘に費やし、とうとうピントの調節力が底を尽きた70歳代で白内障手術を受けるなら、老眼が始まった時点で「老眼から生涯解放される白内障手術」=「多焦点眼内レンズ手術」を受けたほうが合理的かつ効率的ではないか。」と述べている。
ところで、現在白内障手術で使用する人工のレンズには焦点をどこに合わせるかで、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズに分けられる。多焦点眼内レンズはさらに、どこに(遠く、近く、あるいは中間)焦点を合わせるかによって、2焦点眼内レンズ、3焦点眼内レンズ、その他5焦点眼内レンズなどもあるようである。
さらに、それぞれに乱視(角膜または水晶体の球面(表面のカーブ)にゆがみや凹凸があり、光の屈折がずれてしまうため、どこにも像を結ばない状態の目)も同時に矯正できるレンズもある。(令和5年4月12日 水曜日 午後4時46分)
令和5年3月31日(金曜日)午後1時少し前に家を出て、横浜戸塚駅前鈴木眼科に向かった。午後3時に診察の予約を入れてあるので、余裕をみて午後2時半までには到着する予定である。小田急線で新百合ヶ丘駅から乗車、町田でJR横浜線に乗り換えて、湘南台でさらに横浜市営地下鉄に乗り換えると午後2時半には戸塚駅に到着した。改札を出ると駅直結のショッピングモール「トツカ―ナモール」5階に鈴木眼科はあった。
同院のホームページでは、定期的に区役所での白内障・老眼治療説明会を開催していて、現地参加も同時にオンライン参加も可能だ。さらに予約をすれば検査と無料相談が受けられるとなっているので、前記のとおり予約のうえ訪問して、現在の目の状況を見てもらうことと、鈴木高佳先生(理事長)にお逢いして直接説明を受けることにした。
受付をして30分ほど待っていると、若い看護師に案内されて検査機器が沢山並んでいる部屋で次から次へと(10個以上あったか)顕微鏡をのぞくようにして目の検査があり、次に診察室で少しベテランらしい女医さんの同じような検査があり、その後少し待たされて最後に鈴木高佳先生本人が検査データの画面を見ながら現在の目の状況と、主として多焦点眼内レンズによる白内障手術についての詳しい説明があった。
説明では、現在の目の状況は(糖尿による)眼底出血、ならびに緑内障はない。白内障と老眼は3焦点眼内レンズ+レーザー治療で解消が可能、とのことであった。目の構造や白内障、老眼の原因、眼内レンズの種類、フェトムセカンドレーザーという手術法などについて丁寧な説明を受けた。僕の方からは一つ質問をした。老眼については、加齢により水晶体や毛様体筋、チン小体の柔軟性が低下したり固くなってピント(焦点)が合わせにくくなることで発症することは理解したが、人工のレンズはそのような調節機能はないと思われるが、どうやってピントを近くや遠くや中間に合わせるのか?先生は、灯台のレンズのように同心円状になった3焦点レンズの模型を出してきて分かりやすく説明をしてくれた。(令和5年4月15日 土曜日 午後11時7分)
因みに、フェトムセカンドレーザーとは「フェトム」が1000兆分の1を意味し、「セカンド」は秒のことである。すなわち1000兆分の1秒という想像できないほどの短時間で照射する最先端のレーザーのことである。そもそも、白内障の手術は硬くなり、濁った水晶体を人工のレンズに取り換える手術である。基本的な手術の手順は@局所麻酔(主に点眼麻酔)Aレーザーで水晶体嚢の前側(前嚢)を切開(角膜を切らずに内側の前嚢を切ることができる)B前嚢をレーザーで円形に切開Cレーザーで水晶体の中心部を細かく破砕Dレーザーで角膜を切開Eレーザーで細かく破砕された水晶体をさらに超音波乳化吸引装置を使って破砕しながら吸引F角膜の切開部分から嚢の中に眼内レンズを挿入、という順でこの間特に問題がなければ手術は10〜15分で終了する。
この一連の作業を従来は医師の感と経験に基づき手作業でやっていたものが、今は赤外線を利用した光学式測定装置(3次元OCTスキャン)により得られた画像データをコンピューターで解析、メスを使わずに高速のレーザーで医師の設計通りに正確に切開できるように進化している。ただし、レーザーによる白内障手術は(公的)医療保険は適用されないため、自由診療となりレンズ代などを含めて全額自己負担となる。従って費用は片眼で100万円前後かかる。
因みに、単焦点眼内レンズでレーザーを使わない場合は保険診療となり、片眼で18,000円〜60,000円(3割負担)ほど、多焦点眼内レンズの場合は選定療養と言って手術費用は保険適用となるが多焦点眼内レンズや追加検査の費用は自己負担となる。金額はレンズの種類(2焦点、3焦点、連続焦点など)によって16万円から29万円ほどとなる。
ここで、レンズをどれにするか、レーザー手術を選択するかで迷うことになる。95%以上の患者が単焦点レンズを選択しているようだが、費用はともかくとして、それぞれに一長一短がある。先ず、保険診療と自由診療では金額が大きく違うが、専門家に言わせれば高額な金額を支払ったからといって必ずしもいいかと言えば、そうでもないようだ。確かにレーザー手術の方が正確で安定していると言えるのかも知れないが、100%そうだと断定はできないようだ。(単に保険が利くか否かの違いだとする専門家もいる)
少し詳しく調べてみると、単焦点レンズはピントが合う範囲が限られている。すなはち、近くか、遠くかのどちらかに限定される。多焦点レンズは、2焦点は近くと中間、または遠くと中間のどちらか、3焦点は近く、遠く、中間のいづれもそれなりに焦点が合っている。ここでいう「近く」は目からの距離が約40pで本や新聞、スマホを見るとき、「中間」は約50pでパソコンや料理をするとき、「遠く」は5m以上でテレビの視聴や運転をするとき、あるいはゴルフなどのスポーツをするときのことである。
単焦点レンズより多焦点レンズの方が値段も高いし、ピントが合う範囲が広くて便利なように思えるが、鮮明さでは多焦点よりも単焦点の方に軍配が上がるようだ。(令和5年4月20日 木曜日 午前0時)
U=TUBEでも何人かの眼科医が動画を公開しているが、それらを総合すると何でもそうだが、結局は自分自身で判断することが一番大事なことのように思える。手術をして自分が満足できるかどうかが一番重要なことだ。近視や遠視の人がもっと遠くを、あるいはもっと近くをクリアに見たいと思って手術を受けたら、今までクリアに見えていた近くがよく見えなくなった、とか今まで遠くはよく見えていたのに手術を受けた結果、近くはよく見えるようになったが、逆に遠くが今までのようにはよく見えなくなった、などという事例があるようだ。
自分が今後の人生をどう過ごしたいのか、多焦点レンズを勧める医師は「一生メガネもコンタクトレンズも要らない」、「生涯裸眼生活がかなう」(鈴木医師)、「人生が変わる白内障手術」(山崎医師)など、出版社が本の帯書きに書いているのだろうか、現に多くの手術経験者は喜びの声を寄せているのだろう。でも、結果を受け止めるのは他人ではなく、あくまでも自分自身である。自分自身が納得して判断すべきことである。
僕の場合は、今は前立腺がんの治療中でもあり、今年は桜の開花同様、牡丹の開花も例年より10日くらいは早まりそうなので5月20日前後には北見へ行かねばならないこともあり、戸塚駅前鈴木眼科を辞するときには、一晩よく考えてから返事をさせて欲しいと伝えた。帰宅してから週末は他の2院の資料にももう一度目を通し、今はまだ急いで結論を出すべき時ではないと判断した。週明けの4月3日朝一番で電話をして結論を伝えた。「分かりました。検査は6か月間は有効ですから、決心がついたらまたいらしてください。」との返事であった。同院は全ての対応が丁寧で親切であった。有難かった。(令和5年4月20日 木曜日 午後10時)
<白内障手術・多焦点眼内レンズに関する山崎健一郎医師と鈴木高佳医師の本。左は山崎医師、右は鈴木高佳医師の著書で両方とも出版社は幻冬舎メディアコンサルティング>

**************
一昨日(19日)はこのところコロナのせいでしばらく中断していた都立青山高校の同窓生の集まりに参加してきた。朝から晴れて日中は26℃の夏日となった。集合場所は千葉県の成田にある「緑の馬牧場」で、2年生の時の同級だったT君の関係(詳しくは分からないが、本人か会社がオーナーらしい)で毎回広い敷地内の施設や竹林でバーべキューや筍採りを楽しませていただいている。
同窓会といっても13年前に突然他界したW君を忍んで、高校時代の3年間を通じて同君と親交のあった者が任意に集まって始まった会なので、必ずしも全員が同じクラスだったわけではない。でも、今回は3人の女性を含めて11名が集まった。それでも、クラスは違っても体育館やグラウンドでテニスや体操、柔道などの運動部は隣り合って練習をしていたので、すぐに記憶は蘇ってくる。因みに僕は3年間、男ばかりの柔道部で汗を流していた。
現地に12時集合だったので、僕は川崎の自宅を10時少し前に車で出発した。途中、首都高の手前で事故車ありのため迂回したので牧場に着いたのは12時少し前だった。それぞれ車で来る者、電車で来る者と別々なので、到着した時には車組3台を除き電車組はまだJR成田駅で待ち合わせ中だった。
間もなく全員が揃って屋外で、早速牧場が用意してくださったBBを楽しんだ。話題はやはり近況、それも多くは病歴や健康状態のことで、なかにはまだ現役で勤めている者もいる。周りは広々とした芝生と囲いのなかに数頭の馬がのんびり草を食んでいる。牧場の回りは樹や竹が生い茂っていて、平日のせいか我々以外には牧場のスタッフさん数人だけという贅沢な景色である。
ひとしきり話の花が咲いたところで、お楽しみの筍採りに出かけることに。牧場の敷地の端にある竹林の坂道を下ると、もう少し時節が遅いのかなかなか筍らしきものは見つからない。それでも、少し範囲を拡げて探すと大小混じって筍が収穫でき、全員の収穫物を集めると結構な収穫量になった。みんなで分けてお土産ができたところで、午後の3時半を過ぎて名残惜しくも解散の時となる。帰りは車3台に全員が分乗して牧場を後にした。気持ちの良い、楽しい時間はあっという間にフィナーレを迎えた。(令和5年4月21日 金曜日 午後5時40分)
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老眼は加齢によるもので、周りに聞いても誰でも年齢の違いはあっても遅かれ早かれ避けようがないもののようである。白内障も加齢によるものが大半であるらしい。自分の場合も、ここ数年で老眼鏡をかけても本や新聞の字が読みにくくなった。車の運転中に道路の案内板も今までは裸眼で不自由なく見えていたのが、少し小さい字は読めなくなった。また、夜間の運転では対向車のヘッドライトが眩しくて思わずブレーキを踏んでしまうことがある。(令和5年4月3日 月曜日 午後10時)
毎日100通近く来るメール(広告宣伝が殆ど)の中で戸塚駅前鈴木眼科からの「多焦点眼内レンズ」に関するメールは気になっていたので、改めて鈴木高佳(すずき たかよし)理事長(医師)のZOOMせセミナーを視聴した。また、送られてきた同医師の著書「メガネ・コンタクトレンズはもういらない!多焦点眼内レンズ 入門」を読んだ。
さらに、調べていくと同じように大宮七里眼科(さいたま県)を開業する山崎健一郎医師のメールにも多焦点眼内レンズのことが詳しく書かれている。同医師にも著書「人生が変わる 白内障手術 第2版」があるので取り寄せて読んでみた。鈴木医師も山崎医師も日本医科大学を卒業して、山崎医師は2008年に、鈴木医師は2010年に開業していて、これまでの多焦点眼内レンズ手術数は山崎医師3,100例以上、鈴木医師は同2,500例以上となっている。
他に、お茶の水の井上眼科病院病院には40代のころ、高血糖による眼底検査をきっかけに老眼の検査を受けると同時に隣接する井上眼鏡店で老眼鏡を作成してきた。以来、老眼の度合いが進行する度に新しいメガネを同眼鏡店で作成してきた。かれこれ今までに10回以上も作成してきたであろうか。そんなこともあり、戸塚駅前鈴木眼科、大宮七里眼科と井上眼科病院の三つに絞って検討することにした。
(令和5年4月9日 日曜日 午後6時15分)
ヒトの眼は横断面(顔が左を向いている場合)で見ると、左から入った光は角膜、瞳孔(虹彩と呼ばれるカメラの絞りのようなもので、ドーナツ状の膜のこと。ドーナツの穴に見える部分が瞳孔(黒目)といわれるいわゆる穴)を通り、レンズに当たる水晶体を抜けて、いわゆる眼球の中を満たしている無色透明なゼリー状の硝子体を通過して一番奥の網膜で像を結ぶ。網膜に映し出された映像を、網膜の外側の層に分布している視細胞がキャッチして信号に変換する。信号は網膜から脳まで繋がっている視神経により脳に送られ、脳の視覚中枢が認識して初めて「見えた」ことになる。
<目の構造とものの見える仕組み 鈴木高佳著 「多焦点眼内レンズ 入門」51ページより>
さらに、水晶体は「水晶体嚢」という薄く透明な嚢(袋)に包まれている。そして、その水晶体嚢に外側にある「毛様体筋」から伸びた「チン小体」が密着することで水晶体の位置を固定しているのである。
これらが連動して水晶体を引っ張ったり緩めたりして水晶体の厚みを調節することで、ちょうどカメラのオートフォーカスのように遠くから近くまで自動的(自然に)にピントを合わせているのである。知れば知るほど、その巧みな仕組みに驚く。(令和5年4月9日 日曜日 午後10時25分)
老眼は水晶体や毛様体筋が加齢により柔軟性が低下し固くなることにより、ピントの調節がスムーズにできにくくなるためコンタクトレンズや眼鏡をかけることにより補正することになる。また、白内障は水晶体がこれも主に加齢により白く(あるいは茶色く)濁ることにより、ものがダブって見えたり霞んだりする症状である。老眼も白内障も40〜50歳ころから自覚症状がでて、いずれは誰もがおよそ80歳までには罹患するようになるとのこと。(令和5年4月11日 火曜日 午後11時13分)
老眼はコンタクトレンズを入れたり、眼鏡をかければある程度の対応ができるが、白内障はいまのところ水晶体を人工のレンズに置き換えるしか方法がないようだ。前出の戸塚駅前眼科の鈴木医師は著書のなかで「老眼の次には必ず白内障がやってくる。50歳代、60歳代を老眼との格闘に費やし、とうとうピントの調節力が底を尽きた70歳代で白内障手術を受けるなら、老眼が始まった時点で「老眼から生涯解放される白内障手術」=「多焦点眼内レンズ手術」を受けたほうが合理的かつ効率的ではないか。」と述べている。
ところで、現在白内障手術で使用する人工のレンズには焦点をどこに合わせるかで、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズに分けられる。多焦点眼内レンズはさらに、どこに(遠く、近く、あるいは中間)焦点を合わせるかによって、2焦点眼内レンズ、3焦点眼内レンズ、その他5焦点眼内レンズなどもあるようである。
さらに、それぞれに乱視(角膜または水晶体の球面(表面のカーブ)にゆがみや凹凸があり、光の屈折がずれてしまうため、どこにも像を結ばない状態の目)も同時に矯正できるレンズもある。(令和5年4月12日 水曜日 午後4時46分)
令和5年3月31日(金曜日)午後1時少し前に家を出て、横浜戸塚駅前鈴木眼科に向かった。午後3時に診察の予約を入れてあるので、余裕をみて午後2時半までには到着する予定である。小田急線で新百合ヶ丘駅から乗車、町田でJR横浜線に乗り換えて、湘南台でさらに横浜市営地下鉄に乗り換えると午後2時半には戸塚駅に到着した。改札を出ると駅直結のショッピングモール「トツカ―ナモール」5階に鈴木眼科はあった。
同院のホームページでは、定期的に区役所での白内障・老眼治療説明会を開催していて、現地参加も同時にオンライン参加も可能だ。さらに予約をすれば検査と無料相談が受けられるとなっているので、前記のとおり予約のうえ訪問して、現在の目の状況を見てもらうことと、鈴木高佳先生(理事長)にお逢いして直接説明を受けることにした。
受付をして30分ほど待っていると、若い看護師に案内されて検査機器が沢山並んでいる部屋で次から次へと(10個以上あったか)顕微鏡をのぞくようにして目の検査があり、次に診察室で少しベテランらしい女医さんの同じような検査があり、その後少し待たされて最後に鈴木高佳先生本人が検査データの画面を見ながら現在の目の状況と、主として多焦点眼内レンズによる白内障手術についての詳しい説明があった。
説明では、現在の目の状況は(糖尿による)眼底出血、ならびに緑内障はない。白内障と老眼は3焦点眼内レンズ+レーザー治療で解消が可能、とのことであった。目の構造や白内障、老眼の原因、眼内レンズの種類、フェトムセカンドレーザーという手術法などについて丁寧な説明を受けた。僕の方からは一つ質問をした。老眼については、加齢により水晶体や毛様体筋、チン小体の柔軟性が低下したり固くなってピント(焦点)が合わせにくくなることで発症することは理解したが、人工のレンズはそのような調節機能はないと思われるが、どうやってピントを近くや遠くや中間に合わせるのか?先生は、灯台のレンズのように同心円状になった3焦点レンズの模型を出してきて分かりやすく説明をしてくれた。(令和5年4月15日 土曜日 午後11時7分)
因みに、フェトムセカンドレーザーとは「フェトム」が1000兆分の1を意味し、「セカンド」は秒のことである。すなわち1000兆分の1秒という想像できないほどの短時間で照射する最先端のレーザーのことである。そもそも、白内障の手術は硬くなり、濁った水晶体を人工のレンズに取り換える手術である。基本的な手術の手順は@局所麻酔(主に点眼麻酔)Aレーザーで水晶体嚢の前側(前嚢)を切開(角膜を切らずに内側の前嚢を切ることができる)B前嚢をレーザーで円形に切開Cレーザーで水晶体の中心部を細かく破砕Dレーザーで角膜を切開Eレーザーで細かく破砕された水晶体をさらに超音波乳化吸引装置を使って破砕しながら吸引F角膜の切開部分から嚢の中に眼内レンズを挿入、という順でこの間特に問題がなければ手術は10〜15分で終了する。
この一連の作業を従来は医師の感と経験に基づき手作業でやっていたものが、今は赤外線を利用した光学式測定装置(3次元OCTスキャン)により得られた画像データをコンピューターで解析、メスを使わずに高速のレーザーで医師の設計通りに正確に切開できるように進化している。ただし、レーザーによる白内障手術は(公的)医療保険は適用されないため、自由診療となりレンズ代などを含めて全額自己負担となる。従って費用は片眼で100万円前後かかる。
因みに、単焦点眼内レンズでレーザーを使わない場合は保険診療となり、片眼で18,000円〜60,000円(3割負担)ほど、多焦点眼内レンズの場合は選定療養と言って手術費用は保険適用となるが多焦点眼内レンズや追加検査の費用は自己負担となる。金額はレンズの種類(2焦点、3焦点、連続焦点など)によって16万円から29万円ほどとなる。
ここで、レンズをどれにするか、レーザー手術を選択するかで迷うことになる。95%以上の患者が単焦点レンズを選択しているようだが、費用はともかくとして、それぞれに一長一短がある。先ず、保険診療と自由診療では金額が大きく違うが、専門家に言わせれば高額な金額を支払ったからといって必ずしもいいかと言えば、そうでもないようだ。確かにレーザー手術の方が正確で安定していると言えるのかも知れないが、100%そうだと断定はできないようだ。(単に保険が利くか否かの違いだとする専門家もいる)
少し詳しく調べてみると、単焦点レンズはピントが合う範囲が限られている。すなはち、近くか、遠くかのどちらかに限定される。多焦点レンズは、2焦点は近くと中間、または遠くと中間のどちらか、3焦点は近く、遠く、中間のいづれもそれなりに焦点が合っている。ここでいう「近く」は目からの距離が約40pで本や新聞、スマホを見るとき、「中間」は約50pでパソコンや料理をするとき、「遠く」は5m以上でテレビの視聴や運転をするとき、あるいはゴルフなどのスポーツをするときのことである。
単焦点レンズより多焦点レンズの方が値段も高いし、ピントが合う範囲が広くて便利なように思えるが、鮮明さでは多焦点よりも単焦点の方に軍配が上がるようだ。(令和5年4月20日 木曜日 午前0時)
U=TUBEでも何人かの眼科医が動画を公開しているが、それらを総合すると何でもそうだが、結局は自分自身で判断することが一番大事なことのように思える。手術をして自分が満足できるかどうかが一番重要なことだ。近視や遠視の人がもっと遠くを、あるいはもっと近くをクリアに見たいと思って手術を受けたら、今までクリアに見えていた近くがよく見えなくなった、とか今まで遠くはよく見えていたのに手術を受けた結果、近くはよく見えるようになったが、逆に遠くが今までのようにはよく見えなくなった、などという事例があるようだ。
自分が今後の人生をどう過ごしたいのか、多焦点レンズを勧める医師は「一生メガネもコンタクトレンズも要らない」、「生涯裸眼生活がかなう」(鈴木医師)、「人生が変わる白内障手術」(山崎医師)など、出版社が本の帯書きに書いているのだろうか、現に多くの手術経験者は喜びの声を寄せているのだろう。でも、結果を受け止めるのは他人ではなく、あくまでも自分自身である。自分自身が納得して判断すべきことである。
僕の場合は、今は前立腺がんの治療中でもあり、今年は桜の開花同様、牡丹の開花も例年より10日くらいは早まりそうなので5月20日前後には北見へ行かねばならないこともあり、戸塚駅前鈴木眼科を辞するときには、一晩よく考えてから返事をさせて欲しいと伝えた。帰宅してから週末は他の2院の資料にももう一度目を通し、今はまだ急いで結論を出すべき時ではないと判断した。週明けの4月3日朝一番で電話をして結論を伝えた。「分かりました。検査は6か月間は有効ですから、決心がついたらまたいらしてください。」との返事であった。同院は全ての対応が丁寧で親切であった。有難かった。(令和5年4月20日 木曜日 午後10時)
<白内障手術・多焦点眼内レンズに関する山崎健一郎医師と鈴木高佳医師の本。左は山崎医師、右は鈴木高佳医師の著書で両方とも出版社は幻冬舎メディアコンサルティング>
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一昨日(19日)はこのところコロナのせいでしばらく中断していた都立青山高校の同窓生の集まりに参加してきた。朝から晴れて日中は26℃の夏日となった。集合場所は千葉県の成田にある「緑の馬牧場」で、2年生の時の同級だったT君の関係(詳しくは分からないが、本人か会社がオーナーらしい)で毎回広い敷地内の施設や竹林でバーべキューや筍採りを楽しませていただいている。
同窓会といっても13年前に突然他界したW君を忍んで、高校時代の3年間を通じて同君と親交のあった者が任意に集まって始まった会なので、必ずしも全員が同じクラスだったわけではない。でも、今回は3人の女性を含めて11名が集まった。それでも、クラスは違っても体育館やグラウンドでテニスや体操、柔道などの運動部は隣り合って練習をしていたので、すぐに記憶は蘇ってくる。因みに僕は3年間、男ばかりの柔道部で汗を流していた。
現地に12時集合だったので、僕は川崎の自宅を10時少し前に車で出発した。途中、首都高の手前で事故車ありのため迂回したので牧場に着いたのは12時少し前だった。それぞれ車で来る者、電車で来る者と別々なので、到着した時には車組3台を除き電車組はまだJR成田駅で待ち合わせ中だった。
間もなく全員が揃って屋外で、早速牧場が用意してくださったBBを楽しんだ。話題はやはり近況、それも多くは病歴や健康状態のことで、なかにはまだ現役で勤めている者もいる。周りは広々とした芝生と囲いのなかに数頭の馬がのんびり草を食んでいる。牧場の回りは樹や竹が生い茂っていて、平日のせいか我々以外には牧場のスタッフさん数人だけという贅沢な景色である。
ひとしきり話の花が咲いたところで、お楽しみの筍採りに出かけることに。牧場の敷地の端にある竹林の坂道を下ると、もう少し時節が遅いのかなかなか筍らしきものは見つからない。それでも、少し範囲を拡げて探すと大小混じって筍が収穫でき、全員の収穫物を集めると結構な収穫量になった。みんなで分けてお土産ができたところで、午後の3時半を過ぎて名残惜しくも解散の時となる。帰りは車3台に全員が分乗して牧場を後にした。気持ちの良い、楽しい時間はあっという間にフィナーレを迎えた。(令和5年4月21日 金曜日 午後5時40分)
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