2017年07月01日

もうひとつの「キタキツネ物語」

今日は正直言ってあまり触れたくない話題です。でも、人の生命にも関わる可能性のあることですので敢えて取り上げることにしました。

キタキツネ(北狐)と言えば今や北海道の代名詞的な存在ともなっていますが、昭和53年に公開されたドキュメンタリー映画「キタキツネ物語」が大ヒットして以来(更に公開から35年後の平成25年には、その時の未公開分を含む全撮影分フィルムをデジタル修復し再編集、音声と音楽も再作成して「公開35周年記念リニューアル版」」として再公開された)のことのようです。当時、その撮影はオホーツク海沿岸を中心に北見市、釧路市、網走市、紋別市などで4年間を掛けて実施されたと言うことです。

今でも北見市では街中でもキタキツネを目撃することは珍しくなく、当時からオホーツク地方には多くのキタキツネが生息していたことが窺えます。ぼたん園も例外ではなく、園内には数匹の親子と見られるキタキツネが住みついています。
朝早く、または夕方から夜間にかけて、その姿を目撃することが度々あります。毎年春先に3匹から4匹の子供が生まれ、夕方閉園して来園者が居なくなった芝生で子供たちを遊ばせている親狐(母親のみの場合が殆ど)を見かけます。

このままであれば微笑ましい光景なのですが、実は毎年市役所にお願いしてキツネを捕獲する罠(檻の中に肉片をぶら下げて、その中に入って肉片を食べようとすると檻の入り口の扉が落ちて閉じ込められてしまう)を設置して貰うのです。しかし、キツネは悧巧で最初のうちは捕獲されるのですが、一度学習すると二回目は子供も含めて檻に近付こうとはしなくなります。

何故キタキツネを捕獲するのか?それは北海道の方は皆さんご存知のことですが、エキノコックス(多包虫症)という寄生虫を媒介するからです。

*エキノコックスとは?(日経新聞平成26年の記事「寄生虫エキノコックス、本州で感染拡大の兆し」より)
サナダムシの一種の寄生虫。幼虫を宿した野ネズミを食べたキツネや犬の腸で成虫に育ち、卵がふんと一緒に排出される。卵が人やサルなどの口から体内に入り寄生するとエキノコックス症になり、数年から十数年の潜伏期間を経て重い肝障害を起こす。感染部位を切除すれば治るが、長期間自覚症状がないため発見が遅れて死に至ることもある。人の体内では幼虫のままで卵が作られず人から人へは感染しない。
*更に詳しく知りたい方は k3.dion.ne.jp 「ペット(犬、猫)の飼い主の皆様へ」 に詳しい説明がありますのでご覧ください。

エキノコックスがやっかいなのは、上記のネット情報によると北海道では毎年10〜20名ほどの新規患者が報告されていますが、人がこの寄生虫に感染しても成人では発症するまでに10年以上を要し(子供の場合は数年)、初期には自覚症状がないことです。
また、飼い犬や飼い猫(特に放し飼い)が感染した野ネズミを食べても通常は無症状で、飼い主の知らない間に成虫を宿し、虫卵を排泄しているとその飼い主やその家族にとっても(更には近隣の住民にとっても)非常に危険な状態になります。

そのような訳で当園では毎年、市に依頼して園内のキツネの捕獲を実施していますが前述のとおり限界があります。また自衛のためにも私達自身、5年ごとに保健所の血清検査を受けること(毎年実施して欲しいのですが現在のところ5年に1回となっている)、そして野ネズミの駆除(捕獲と殺鼠剤の配置)を毎年実施しています。今後の課題としてはキツネの駆虫(駆虫薬入りの餌の散布)やキツネの棲み処となる古い空き家の撤去または建替えを考えています。

芝生で遊ぶキタキツネの親子(6月21日 17:49撮影)170713平成29年7月13日まで 012.JPG


posted by ぼたん園々主 at 01:56| Comment(0) | 日記
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