2017年08月22日

富良野再訪

平成29年7月24日付にて投稿しました「富良野に新設ワイナリーを訪ねる」にありますように、同年7月10日に中富良野でワイナリーの新設を進めている企業グループ「グループ・レゾン」のブドウ畑を訪ねましたが、今回昨年丸瀬布のマウレ山荘からレゾンに転職したSさんの近況を知りたく、同山荘で同じ職場の先輩であったWさんと一緒にSさんの新居にお邪魔しました。

平成29年8月19日(土)午後1時30分、我が愛車Vitzでぼたん園を出発、Tさんと午後3時30分に待ち合わせをしたJR丸瀬布駅の駐車場に向かいます。3時前に丸瀬布着。駅前のセイコーマートで買い物をして駅駐車場でWさんを待ちます。
約束の3時30分、奥様の運転する車でWさんが現れ、初めてお会いする奥様と挨拶を交わしました。
建設中の旭川・紋別自動車道路(現在旭川から丸瀬布インターの次の瀬戸瀬インターまでが部分開通していて通行料は無料)の丸瀬布インターから入り旭川手前の比布インターで降り、旭川空港、旭山動物園の標識を見ながら南下、東神楽町で左折して国道237号をさらに南下して美瑛町、上富良野町、中富良野町を経て富良野市に入りました。
富良野市の中心を過ぎて10分ほどでTさんのお宅に到着。午後7時を過ぎていて既に辺りは暗くなっています。国道に面した一戸建てで以前は理容院だった建物を住宅に改修した状態で購入したとのこと。
国道に面した玄関先には焼肉BBQの準備がされていて、ランタンやライトとともに赤い炭火が辺りを明るく照らしています。
早速、私は肉類について詳しくないので分かりませんが沢山の種類の豚肉や牛肉が、野菜とともに次々と焼かれてそのどれも美味しく、またご飯(おぼろずき?とか)の旨いこと。

その夜はBBQの後は室内に移り、これまた目から鱗の絶品チーズを、持参したワインとともに頂きながら、仕事のこと、グルメのこと、将来の夢について時間を忘れて盛り上がったのは言うまでもありません。

翌朝はSさん手料理の朝食(これも美味しかった)を頂いてから、2台のVitz(Sさんは通勤用のVitz)に分乗してSさんお勧めのポイントを案内していただきました。
国道38号を布部(ぬのべ)から麓郷(ろくごう)街道(道道544号)に入り直進、最初に寄ったのは「グラス・フォレスト in 富良野」。「ダイアモンドダスト」をイメージした「しばれ硝子」と呼ばれる独自のガラス製品を製作、販売している工房です。北海道では厳寒の冬の朝、窓ガラスに細かくひび割れしたような氷結(北海道ではしばれると言います)模様が見られますが、そんなイメージで、店員さんによると使い込んで行くうちに模様が変化するとのこと。ガラス器、アクセサリー、美術品、国内外の著名テーブルウエア(オーストリアのリーデル社のワイングラスやチェコのモーゼル社の製品など)などが展示、販売されています。

「グラス・フォレスト in 富良野」ガラス館(8月20日 9:44撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 002.JPG

同内部(8月20日 10:23撮影)170821平成29年8月21日までのカメラ画像 045.JPG

次に案内して頂いたのは、更に進んでジャム園の建物を過ぎてすぐの左の坂道を登ると間もなく開けた高原状の畑があり、色とりどりの花が帯状に植えられジャムの原料となるハスカップやブルーベリーなども植えられています。ここは「麓郷展望台」と呼ばれているところで、ドラマ「北の国から」の舞台になった麓郷一帯が広々と見下ろせます。(残念ながら私はドラマを見ていないので伝聞です)

麓郷展望台周辺には色とりどりの花が帯状に植えられている。(8月20日 11:05撮影)170821平成29年8月21日までのカメラ画像 053.JPG

展望台とハスカップやブルーベリーなどのジャムになる木の実。(8月20日 10:39撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 007.JPG

展望台から反対方向に一方通行の道を下ると、先ほど通過してきたジャム園のところに出ます。ジャム園の駐車場に車を駐車して「ふらのジャム園」の建物へ。館内にはハスカップジャムをはじめ、果実系、ベリー系、野菜系など38種類のジャムやドレッシング、味噌・醤油漬け、さらにジャムをトッピングしたスイーツが販売されています。私は興味のある山ぶどうジャムを買いました。

「ふらのジャム園」(8月20日 11:19撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 014.JPG

ジャム園を出て、小川を挟んで隣りにある「やなせたかしの店 アンパンマンショップ」を覗いてみました。
ショップ内にはアンパンマングッズが所狭しと並んでいて、子供連れのお客さんで込み合っています。2階はアンパンマンギャラリーとして、やなせたかしの作品が展示されています。

「やなせたかしの店 アンパンマンショップ」(8月20日 11:04撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 013.JPG

次に訪れたのは麓郷の森です。私はテレビドラマ「北の国から」を見ていないので詳しいことは分かりませんが、1981年(昭和56年)から2002年(平成14年)まで20年以上にもわたって富良野のあらゆる場所でロケが行われたようで、この麓郷の森は初期のロケ地として針葉樹を中心とした森の中にロケに使われた家屋が点在し、現在でも多くの観光客で賑わっています。

麓郷の森(8月20日 11:49撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 021.JPG

麓郷の森を後にして来たときの道を麓郷街道の方に戻ったところで丁度12時になりましたので、この辺りで昼食をとることにします。この辺りには「北の国から」に何度も登場した「小野田旅館」の看板がある「小野田そば」やミシュランガイドに載っているラーメン店「富良野とみ川」などがあります。

富良野産の小麦を使い、石臼挽きした自家製粉、自家製麺にこだわるラーメン店「富良野とみ川」(8月20日 12:08撮影)170821平成29年8月21日までのカメラ画像 057.JPG

麺は日本蕎麦に似た食感で、スープは鶏肉と魚系のだしにこだわっているとのことで美味しく完食。(8月20日12:15撮影)170821平成29年8月21日までのカメラ画像 058.JPG

「とみ川」を出て、今朝来た麓郷街道を国道38号に向かって引き返します。富良野市中心部を避け、途中から空知川沿いの裏道を暫く走ると右に十勝岳連峰の雄大な眺めを見ながらブドウ畑が続く丘陵地帯に入ります。
やがてブドウ畑の中に広い駐車場と大きな近代的木造建物が見えてきます。駐車場に車を止めて緩い坂を下りて行くと建物の入り口には大きな板に「六花亭」と書かれています。入り口を入ると、そこは大きなガラス張りのホールとなっていて正面には十勝岳を始めとする連峰が一望できます。
ホールは買い物と飲食ができるようになっていて正面のベランダに出ることもできます。大勢の観光客が景色を眺めながら思い思いに過ごしています。
ここは正式には「カンパーナ六花亭」と称し、2万4千坪の丘陵地にぶどう畑が広がり建物の傍には鐘楼が立っていて日に9回鐘を鳴らすとホームページに書かれています。(因みにカンパーナはイタリア語で鐘の意味)
すぐ近くに富良野市が運営する「ふらのワイン工場」と「ふらのワインハウス」(レストラン)があり、六花亭のぶどうの大部分はこの「ふらのワイン工場」に持ち込まれて醸造されるのではないかと思われます。

「カンパーナ六花亭」入口と表札(8月20日 12:58撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 031.JPG

建物の内部(8月20日 13:00撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 032.JPG

この店舗建物のすぐ隣には美術館(ギャラリー)があり、この日は「彫刻家イサム・ノグチの世界」と題し栃木出身の写真家の作品を展示していた。(8月20日 13:43撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 039.JPG 

この後、国道237号に出て中富良野に向かいます。途中左折して上り坂を行くと森の中に公園やキャンプ場があり、さらに奥に進むと別荘地風の建物や民宿風の建物が点在しています。そして少し行くと、道路からは殆ど見えないカラマツ林の奥に建物らしきものがあり、そちらに向かって橋が架かっています。この日は橋の入り口にはロープが張られ、営業はしていないようです。Sさんによれば、ここは「六花山荘」で、完全予約制の昼食だけの懐石風家庭料理を提供するレストランだそうです。ネットの口コミを見ると料理は2,500円の1コースのみで評価が高いようです。是非一度利用してみたいと思います。
さらに「六花山荘」の道路を挟んで向かいに「ログコテージ HIMAWARI」があります。家族でここに泊まって山荘を利用するのもいいかなと思いました。

「六花山荘」にアプローチする橋。カラマツ林の奥に黒っぽい建物が隠れている。(8月20日 14:09撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 058.JPG

「六花山荘」のすぐ向かいにある「ログコテージ HIMAWARI」(8月20日 14:12撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 059.JPG

次に訪れたのは、そこからすぐ近くのラベンダー畑ですっかり有名になった「ファーム富田」です。日曜日のためもあるかも知れませんが、駐車場もほぼ満杯で観光客があふれています。
想像していたよりも建物が多く、殆どは売店や食堂で畑は分散していて広大なラベンダー畑のイメージはありません。人ごみの中で聞こえてくるのは中国語ばかりで、大型バスが次から次へとその国の人々を運んできます。日本の人口の10数倍以上の国の圧倒的な勢いを正に実感します。

「ファーム富田」と押し寄せる観光客(8月20日 15:06撮影)170821平成29年8月21日までのカメラ画像 073.JPG

最後の訪問地は前回7月10日に訪れたレゾンのぶどう畑です。前回訪れた時に比べると畑全体が緑に覆われています。ぶどう苗の根元に植えられていたクローバーが地面を覆っているのです。
ぶどう苗はグロウチューブ(保護筒)を外され、新梢が剪定され一番低いワイアーに誘引されています。これからこれらの苗が成長して成熟し、収穫をもたらすまでにあと2年か3年、場合によってはそれ以上の年月と作業が必要になるはずです。
レゾンではヤギの乳によるチーズも作っていて、畑の一部にヤギ小屋もあります。

正面に十勝岳連峰を望むぶどう畑(8月20日 16:19撮影)170821平成29年8月21日iphone画像 076.JPG

20頭以上飼っているというヤギ(8月20日 15:50撮影)170821平成29年8月21日までのカメラ画像 075.JPG

そうこうしているうちに陽は西に傾き、喉も乾いて腹も減ってきました。そこで最後に案内されたのは、レゾンのぶどう畑を国道237号に向かって真っすぐ下り、国道に出て右折するとすぐ左側にある、中富良野町で唯一の温泉施設「万華の湯」です。正式な名称は「中富良野温泉・万華の湯 スパ&ホテルリゾート ふらのラテール」のようです。本格的なホテルとレストラン(「レストランルノール」)、宴会場などに日帰り入浴もできる天然温泉浴場を備えています。

国道に面しているので北西方向に十勝岳連峰が一望できるのが売りのようで、早速我々も温泉に浸かって露天風呂から十勝連峰の雄大な眺めを満喫、広々とした食堂兼休憩室にて喉を潤し、夕食を取りました。
施設を出た時には既に午後7時を回っていて、辺りはもう暗くなっていました。
駐車場で再会を約束してSさんとは、ここでお別れです。二日間大変お世話になりありがとうございました。

「中富良野温泉・万華の湯」日帰り入浴入口(8月20日 16:52撮影)170821平成29年8月21日までのカメラ画像 078.JPG

この後、旭川市内を抜け国道39号を進み、愛別インターから来る時に通った旭川紋別自動車道に入り、丸瀬布でWさんをご自宅までお送りしてぼたん園に帰宅したのは午後11時を回ってからでした。


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2017年08月07日

K&Kヤマブドウ研究所 スタート!

今日(平成29年8月6日)は記念すべき日になるかも知れません。
それはK&Kヤマブドウ研究所(勝手に自称、仮称)が事実上スタートした日だからです。

朝7時、ぼたん園に集合した研究員のM.K.さんと私の2名は、早速園内に自生するヤマブドウを掘り起し、例のブドウ園候補地に移植しようという訳です。先ずヤマブドウを移植してみて、その可能性を探ります。

北見周辺は私の子供のころからヤマブドウが自生していて、よく遊び仲間と近くの山でブドウ狩りをしたものです。北見は以前にも書きましたが、北海道の中でも最も寒暖差が大きく夏は今年も6月に37℃を記録、冬はマイナス20℃以下になることも珍しくはありません。一般に作物は寒暖差が大きい方が密度が濃く、美味しくなると言われています。(花の色も澄んでいて、私は南国の花より好きです)

もちろん冬の寒さによる凍結や降霜や雪に耐えるもの以外は生き残ることはできません。その点ヤマブドウは折り紙つきです。さらに台風(北海道は台風が上陸することはありませんでしたが、昨年観測史上初めて1週間に3個もの台風が上陸しました)でも落果せず、病気や害虫にも極めて強いという特長を持っています。

6月のヤマブドウ (6月20日 10:45撮影)170723i-phone映像 581.JPG

9月のヤマブドウ (前年の9月21日 16:12撮影)園内、畑、川湯、吉野氏、山ブドウ、8月22日〜9月21日 034.JPG

早速、ぼたん園のフェンス際に自生しているヤマブドウを採取します。ヤマブドウには雄株と雌株があり、メス木はオス木に比べるとはるかに少ないので、メス木が確認しやすい秋に採取するのがよいようですが、既に緑色の果粒が確認できますのでメス木とオス木を数株づつ移植することにします。
ヤマブドウはイチゴのランナーのように枝が伸びて先の方が地上部に触れている箇所から発根します。根元から掘り出して移植に失敗して枯れてしまった場合のことを考えて、再度採取することができるように枝の先から発根しているものを採取します。

ヤマブドウ自生苗の採取 (8月6日 7:48撮影)170806平成29年8月6日まで 001.JPG

仮植えをして冬を越す方法もあるようですが、今回は直接現地に植えることとしました。昨年用意してあった落葉の堆肥をビニール袋に詰め、水をペットボトルに入れて持参し苗が乾燥しないよう注意しながら植え付けました。ヤマブドウ苗の移植が成功すれば、次は欧州系のワイン用苗を数種類植えてみようと考えています。

草刈りをした移植場所までの道 (8月6日 10:58撮影)170806平成29年8月6日まで 010.JPG

移植したヤマブドウの自生苗 (8月6日 10:48撮影)170806平成29年8月6日まで 005.JPG

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2017年08月03日

有機農法と自然農法

平成27(2015年)年8月22日付の記事「自然農法」にも書きましたが、偶然本屋で手にした福岡正信先生の著書「自然農法 わら一本の革命」からスタートした自然農法による野菜作りですが、今年で12年程になります。

自然農法の起源は1930年代に遡り、世界救世教の創始者の岡田茂吉氏が、そして農業試験場の研究者だった福岡正信氏が試験場を辞めて郷里の愛媛県で帰農し、相次いで実践されたものであります。
福岡氏の自然農法は、無農薬、無肥料、不起耕(耕さない)、無除草を4大原則とし、人間はできるだけ余計なこと(しなくてもよいこと)はせずに自然に寄り添う農業を目指しています。
著書「自然農法 わら一本の革命」は農法書というよりは哲学書に近く、その後世界的ベストセラーとなり、世界各国から特に若者が氏の許を訪れ教えを乞うようになります。また、氏の死後(2008年95歳にて没)影響を受けた人たち(奈良の川口由一氏や最近では「奇跡のリンゴ」で知られる青森の木村秋則氏など)により日本全国で様々な形で今も実践されています。

自然農法による野菜作りを実践しています(平成29年7月20日 13:35撮影)170723i-phone映像 737.JPG

これに対して最もポピュラーな言葉として有機農法(organic farming)があります。
言葉としては20世紀初頭にイギリスのハワード卿やアメリカのロデイルにより提唱されたものであり、日本では40年ほど前に日本有機農業研究会が設立されorganic farmingを有機栽培と初めて訳したようです。(ネットのエコファーム「有機農法と自然農法の違い」より)

日本においては2000年(平成12年)に農水省の「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)によって有機農産物の基準が設けられ、「有機農産物」、「有機野菜」等と表示するためには下記のような用件を満たし、農水大臣に登録された登録認定機関による認定を受けなければなりません。(有機JASマークの表示が義務付けられる)
(1)農薬や化学肥料は原則として使用しないこと。ただし、2002年(平成14年)に緊急の場合で通常の防除方法では効果的に防除できない場合は特定農薬(安全性の明らかなものと定義されている30種類の農薬)の使用が認められることになった。
(2)農薬と化学肥料を3年以上使用していない田畑で栽培されてていること。
(3)生産から出荷までの生産工程管理・格付け数量等の記録を作成していること。
(4)遺伝子組み換え技術を利用しないこと。
*因みに農林水産省の「有機農産物の日本農林規格」(有機JAS規格)では有機農産物と並んで特別栽培農産物として、その地域での使用回数の5割以下しか農薬を使わずに栽培したものを「減農薬栽培農産物」、同様に5割以下しか化学肥料を使わずに栽培したものを「減化学肥料農産物」と定義している。
(ネットのWikipedia「有機農業」及びv350f200.com「野菜・果物に関するFAQ」より)

有機JASマーク平成29年8月4日まで 033.JPG

試行錯誤を繰り返しながらも、幼児にも安心して生で食べさせられる野菜を作りたいという思いで私なりに自然農法を実践してきました。理屈では理解した積りでも実際に畑に立つと、最初の頃は迷うことばかりでしたが、10年以上続けてみてやっとおぼろげながら見えてきたこともあります。
幸にも、畑は30年以上ぼたん園のバックヤードとして一部にツツジなどの花木が植えられていましたが、大部分は放置されていたため農薬や肥料を投入することは無く、また周りは住宅地のため周囲からそれらが流入することも無く、自然の腐葉土に近い状態でした。
従って、最初から自然農法による野菜の栽培をスタートすることができたことは誠にラッキーでした。

「有機農法」と「自然農法」を比較してみると、「有機農法」は農薬や化学肥料は原則として使用しないとしていますが、事実上一部の無機農薬(石灰硫黄合剤、ボルドー液=硫酸銅+生石灰など30種類)の使用は許可されています。また、化学肥料(無機肥料=リン酸やカリウム、窒素など成分そのもので構成されている肥料のうち、科学的に合成された肥料が「化学肥料」であり、尿素や硫安などが該当する)以外の有機肥料=枯葉や動物の糞、魚粉などの生物由来の原料を使った肥料の他に無機肥料のうち、天然物=鉱物などを原料とした肥料(草木灰、炭酸カルシウム、生石灰、微量要素など)の使用が認められています。
これに対し「自然農法」では無農薬、無肥料を原則としています。

私は自分で確認できないものは原則として信用しないことにしています。
従って「有機農法」の「安全性の明らかなもの」とか、「農薬と化学肥料を3年以上使用していない畑」とか、「人体に影響のない微量」という言葉を信用して、自分の孫たちに食べさせようようとはとても思えません。
それに対して「自然農法」は無農薬、無肥料ですから安心なのですが、実際に畑で実践するには相当の勇気と忍耐が必要になります。10年以上実践してみての感想ですが、野菜(野菜に限らず生り物)は全て人間の都合で場所や時期や品種を決めて作りますから、その時点で既に自然ではない訳です。従って人間の都合を優先する限りは、ある程度の補正は必要ではないかと思っています。現在、私は農薬こそ使いませんが、完熟した落葉堆肥と米糠は使用しています。ただし畑全面に施すことはせずに、例えばナスやトウモロコシのように特に栄養分を必要とする(これも少しでも美味しくしたいという人間の都合なのかも知れませんが)ものを中心に必要最低限にとどめることを心掛けています。

毎年秋には園内の落葉(通路や芝生などの落葉所に限る)を集めて堆肥を作り、翌年以降に使用します。(6月23日 14:16撮影)170713平成29年7月13日まで 018.JPG

「不起耕」と「無除草」は「自然農法」独自のものであり、「有機農法」には概念すらありません。
「不耕起」は分かり易く言えば畑は耕さないということです。なぜなら草や野菜が耕してくれるからです。
現に草や野菜の生えている畑を掘ってみると、大体地上の形と同じ範囲に根が伸びていて(普段見ることはできませんが樹木もその枝が伸びている範囲に根を張っています)、その先端は髭のような細根が無数に伸びていて、その周りに絡まるように土の粒々ができています。これがいわゆる団粒構造です。そして大きな草や野菜の根の近くには大きなミミズや虫がいます。更に目には見えませんが何億という土中菌が活動しているのです。自然は全て循環していますが、土の下も例外ではありません。それを毎年人間が掘り返すことでゼロにしてしまってよいのでしょうか?私にはとても大事なことに思えます。

「無除草」は分かり易く言えば、草は抜かないということです。「自然農法」とはいえ、種を播いたり苗を植える時にはその部分の除草は必要です。さらに種や苗がしっかり根を張って自立するまでは草の勢いを弱めてやる必要があります。かといって、「不耕起」でお分かりのように草を敵視するのではなく、草はお友達(協力者)と考えることが重要だと思います。「自然農法」では刈り取った草は種や苗の根元に敷いてマルチ(保温、乾燥を防ぎ、草を抑える)として、また緑肥として活用します。さらに周りに草があることで害虫の被害を分散する効果もあります。

最近では、スーパーでも有機野菜の販売コーナーがあるところが珍しくなくなってきていますが、「有機野菜」、「オーガニック野菜」、「減農薬野菜」、「減化学肥料野菜」などの言葉が氾濫していて、素人には区別がつきません。そしていずれも従来の野菜と比べると、何割か高い値段がつけられています。
実は日本では国内の全耕地面積に占める有機農業を実行している畑の割合はわずかに0.22%に過ぎず、しかもここ数年はずっと0.2%前後で足踏みしているのが現状です。
一方、有機農業先進国はイタリア8.6%、ドイツ6.1%、イギリス4.0%、フランス3.6%と高く、カナダ1.2%、アメリカ0.6%など、欧米諸に比べても有機農業の普及が遅れています。さらに、韓国1.0%、中国0.4%とアジアと比べても後進国となっています。
日本で有機農業が増えない理由のひとつは有機JAS認証を取得するための手数とコストがかかること、毎年更新しなければならない費用、有機JASマークのシール代、パッケージ代もすべて農家の負担になります。さらに、農薬の使用が制限されるため、大きな病害虫が発生すれば収穫が半分以下になるリスクも負わなければなりません。
それと、有機先進国と日本の大きな違いは、有機農業を国策と定めているヨーロッパの一部の国では、有機農産物には「安全」や「安心」以外の価値があるとして、有機農業を行う農家には補助金を出すなどの制度があります。また、国民の関心と理解が高いことも大きな特徴です。

以前、有機農業の研修でドイツに出かけたことがある天恵グループ(愛知県の大地を守る会の生産者)・津田敏雄さんは、店頭に売られている有機野菜を見て驚いたといいます。
「虫食いの野菜や、形が不ぞろいな野菜があたりまえのように売られているんだよ。これが商品になるのか、と店員に尋ねると”これは有機栽培で作られているから、形はどうでもいいのではないか”という返事だった。日本では、安心に加えて一般栽培と変わらない形状のものが求められる。日本では有機農業を一般に販売するためには、虫食いや見た目の美しさに対する意識が変わらないと難しいんじゃないかと思う。」(ネットの大地宅配by大地を守る会「有機ってなに?有機野菜は、なぜ広がらない?」より)

「自然農法」はさらに「有機農法」より認知度は低く、実際に実践している農家は極わずかであろうことは想像がつきます。むしろ日本国内よりも海外での方が認知されているのではないかとさえ思われます。
福岡正信先生が最初に疑問を持たれたのは、人間は自然に対して余計なことをしているのではないか?しなくてもよいことをしているのではないか?ということでした。そして、しなくてもよいことを剥ぎ取って行って行き着いたのが「わら一本の革命」であって、「自然農法」だったのです。
「自然農法」は究極の何もしない農業である、と言えるかもしれませんが、最も自然の理に適っている農業であるとも言えると私は思います。
そして、人間も自然の一部であり自然をよく観察することから始まり、人が生きて行くうえで大事なこともそこから学ぶことができると信じています。これからも「自然農法」を追及して行きたいと思います。
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2017年07月24日

富良野に新設ワイナリーを訪ねる

平成29年7月10日(月)旭川に用事があって朝9時にぼたん園を車にて出発。
用事を済ませてから今年、富良野に新規にワイナリーの計画をスタートさせた企業のブドウ畑を見てくることになっています。

<朝日新聞デジタルの記事「富良野、ワイナリー続々新設」からの抜粋>
富良野地方で今春、「現存する日本最古のワイナリー」を謳う「まるき葡萄酒」(山梨県甲州市)のグループ会社がブドウ栽培を始めた。
十勝連峰を見渡す中富良野の丘に、ブドウの苗木が整然と並ぶ。保温などのため根元を覆う白い筒の先から緑の葉が顔をのぞかせている。まるき葡萄酒からなる企業グループ「グループ・レゾン」(本部・兵庫県)が設立した農業生産法人レゾンのブドウ畑だ。
レゾンは同町と富良野市の3ヵ所に計35ヘクタールの畑を取得。今春、そのうち約8ヘクタールでソーヴィニヨン・ブランなど11品種を植え、3年後にワイン生産を始める。
畑を富良野地域全体で約40ヘクタールに増やし、8年後には年間15万本のワインを製造する計画だ。ー中略
まるき葡萄酒によると、富良野は土地が広く、冷涼で寒暖差も大きいなど、ワイン用ブドウ品種の栽培に適しており、国内外での知名度が高いことから進出を決めた。本州では温暖化や人手不足から適地が見つけづらくなっていることも、北海道への進出を決めた理由の一つだという。
道内のワイナリーは、2006年の13ヵ所から今年5月の29ヵ所に倍増した。新興ワイナリーは空知地方や「ワイン特区」として製造免許が取りやすい余市町など後志地方に多い。ー以下略

探し探し、やっとブドウ畑に着いたのは午後3時半。正面に十勝岳連峰を見渡す緩い傾斜地に鉄製のポールが規則的に並んでいます。
よく見るとポールとポールの間には高さがまだ20cmくらいのブドウの苗が植えられています。

中富良野のブドウ畑(7月10日 15:53撮影)170713平成29年7月13日まで 130.JPG

後日談
平成29年7月15日(土)、今日はかねて、友人のM.K.さんから話のあった、M.K.さんの知人が所有する牧草地が売りに出る可能性があるとの情報に基づき、現地を視察することになっています。
午前8時、約束どおりM.K.さんが来園、一緒に車で出発しました。

現地はぼたん園からは車で10分ほどの近い距離にあり、幹線道路から少し入った丘陵地です。正確な面積は分かりませんが、数年前まで牧場として使用していたそうで、なだらかな斜面には夏草が伸びていて頂上付近には笹もあります。頂上近くからは丁度南の方角に北見の市街が見え、少し手前にはぼたん園らしき森も見えます。

ワインの品質の90%はブドウそのものによって決まると言われています。
そして、ワインの味わいを決めるものとして大きく分けて四つの要素が挙げられます。
先ず第一にブドウの品種です。ヨーロッパ系のブドウでワイン用に使用されている主な品種は約100種類と言われています。
第二にいわゆる「テロワール」と言われる、ブドウの成育に大きな影響を与える、畑の土壌や地形、気候などのその土地固有の自然環境があります。
第三に造り手の個性があります。ブドウの栽培方法は勿論ですが、ブドウの収穫量(単位面積当たり)や収穫の時期、収穫の方法(機械摘みか手摘みか)、醸造方法や熟成方法などの判断は造り手の個性によります。
そして、第四にはいわゆる「ヴィンテージ」と言われるブドウが収穫された年があります。どんなに造り手が努力しても、ブドウに限りませんが、その年の天候によって出來(質と量)は大きく左右されます。

従って、ワイン造りは先ず最初にブドウ畑を選定するところから始めなければなりません。
一般に言われていることは、その土壌については水はけが良いことが絶対条件のようです。そして土壌の肥沃さについては多くの農作物とは異なり、肥沃で有機質の土壌は適さず、むしろ水分も栄養分もギリギリの痩せた土地が向いているということです。それは水分と栄養分が豊富だと葉ばかりが茂り、果実の成熟が疎かになるからです。
よくブドウは傾斜地を好むと言われますが、それは傾斜地は一般に水はけが良く、養分や有機物が少ないからのようです。ただし、あまり急斜面では手入れに手数が掛かり、また動力機械を使用する場合は危険を伴うので避けなければなりません。
また、ブドウの成育には日照時間が長ければ長いほど適しているので、斜面が南向きであることが有利に働きます。特に北見のような温暖ではない土地では日照時間の長さと時期は大事になります。
それと、北見のように冬季には-20℃にもなるような地域では凍結による枯れ死や、芽吹きが始まる頃の春の遅霜と成長期と重なる初秋の降霜は何としても避けなければなりません。
そして、更にブドウ畑は自宅の近くにある方が良いと言われます。成長期にはブドウ畑を定期的に見回る必要があり、収穫期には香りのチェックや食害がないか確認するため毎日通う必要があるからです。

自宅からも近く、南向きの適度な勾配の斜面はブドウ栽培には適しているように見えます。(7月15日 9:21撮影)
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頂上付近からの眺めも悪くありません。北見市街と手前にはぼたん園の森も遠望できます。(7月15日 9:21撮影)
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すぐ近くにはゴルフ場もあります。(7月15日 9:46撮影)
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2017年07月01日

もうひとつの「キタキツネ物語」

今日は正直言ってあまり触れたくない話題です。でも、人の生命にも関わる可能性のあることですので敢えて取り上げることにしました。

キタキツネ(北狐)と言えば今や北海道の代名詞的な存在ともなっていますが、昭和53年に公開されたドキュメンタリー映画「キタキツネ物語」が大ヒットして以来(更に公開から35年後の平成25年には、その時の未公開分を含む全撮影分フィルムをデジタル修復し再編集、音声と音楽も再作成して「公開35周年記念リニューアル版」」として再公開された)のことのようです。当時、その撮影はオホーツク海沿岸を中心に北見市、釧路市、網走市、紋別市などで4年間を掛けて実施されたと言うことです。

今でも北見市では街中でもキタキツネを目撃することは珍しくなく、当時からオホーツク地方には多くのキタキツネが生息していたことが窺えます。ぼたん園も例外ではなく、園内には数匹の親子と見られるキタキツネが住みついています。
朝早く、または夕方から夜間にかけて、その姿を目撃することが度々あります。毎年春先に3匹から4匹の子供が生まれ、夕方閉園して来園者が居なくなった芝生で子供たちを遊ばせている親狐(母親のみの場合が殆ど)を見かけます。

このままであれば微笑ましい光景なのですが、実は毎年市役所にお願いしてキツネを捕獲する罠(檻の中に肉片をぶら下げて、その中に入って肉片を食べようとすると檻の入り口の扉が落ちて閉じ込められてしまう)を設置して貰うのです。しかし、キツネは悧巧で最初のうちは捕獲されるのですが、一度学習すると二回目は子供も含めて檻に近付こうとはしなくなります。

何故キタキツネを捕獲するのか?それは北海道の方は皆さんご存知のことですが、エキノコックス(多包虫症)という寄生虫を媒介するからです。

*エキノコックスとは?(日経新聞平成26年の記事「寄生虫エキノコックス、本州で感染拡大の兆し」より)
サナダムシの一種の寄生虫。幼虫を宿した野ネズミを食べたキツネや犬の腸で成虫に育ち、卵がふんと一緒に排出される。卵が人やサルなどの口から体内に入り寄生するとエキノコックス症になり、数年から十数年の潜伏期間を経て重い肝障害を起こす。感染部位を切除すれば治るが、長期間自覚症状がないため発見が遅れて死に至ることもある。人の体内では幼虫のままで卵が作られず人から人へは感染しない。
*更に詳しく知りたい方は k3.dion.ne.jp 「ペット(犬、猫)の飼い主の皆様へ」 に詳しい説明がありますのでご覧ください。

エキノコックスがやっかいなのは、上記のネット情報によると北海道では毎年10〜20名ほどの新規患者が報告されていますが、人がこの寄生虫に感染しても成人では発症するまでに10年以上を要し(子供の場合は数年)、初期には自覚症状がないことです。
また、飼い犬や飼い猫(特に放し飼い)が感染した野ネズミを食べても通常は無症状で、飼い主の知らない間に成虫を宿し、虫卵を排泄しているとその飼い主やその家族にとっても(更には近隣の住民にとっても)非常に危険な状態になります。

そのような訳で当園では毎年、市に依頼して園内のキツネの捕獲を実施していますが前述のとおり限界があります。また自衛のためにも私達自身、5年ごとに保健所の血清検査を受けること(毎年実施して欲しいのですが現在のところ5年に1回となっている)、そして野ネズミの駆除(捕獲と殺鼠剤の配置)を毎年実施しています。今後の課題としてはキツネの駆虫(駆虫薬入りの餌の散布)やキツネの棲み処となる古い空き家の撤去または建替えを考えています。

芝生で遊ぶキタキツネの親子(6月21日 17:49撮影)170713平成29年7月13日まで 012.JPG


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